就職や結婚、家族との別れ、引っ越しなど、人生に大きな影響を与える出来事(ライフイベント)は、心と体に負担がかかるとされています。1967年に行なわれたアメリカでの調査で、「社会生活再適応評価尺度」があります。どのようなライフイベントからどの程度のストレスが生じるのか、それを知る上で参考になるものです。表の中では「配偶者の死」や「離婚」など、ストレスが強く生じるとされるイベントが順位として上位に上がっています。しかし時折「結婚」や「個人的な成功」、「クリスマス」「休暇」といった一見、ストレスとは無縁に思えるような喜ばしいことも、ストレスを生じさせるイベントとして挙げられています。これはどういうことでしょうか。
例えば、クリスマスは、特にアメリカでは一年の中でも最も大きな行事のひとつとされています。喜ばしく楽しい行事ではありますが、そのために準備を要したり、楽しいがゆえに、無理をして動き、実は身体に負担がかかっていることに気づかないということもあるでしょう。または、例えば誰か来客をもてなし、楽しませることに一生懸命になってしまうような人は特に、気疲れが生じることもあります。
結婚や就職など、一見喜ばしい出来事も、それによってプレッシャーがかかったり、行動様式などに変化が生じたりすることで負担は少なからずかかっていきます。喜ばしく気分が高揚する時だからこそ、かえって頑張ってしまう場合があるといえます。楽しいことやイベント時は、無理をしていないかご自身や周りの心身をいたわりながら臨みたいですね。
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